渓流での放流魚の釣り方(アマゴ・ヤマメ・イワナ)

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渓流

渓流釣りでのターゲットには、大別すると天然と放流に分けることができます。

天然(天然魚)とは、その川で成長した魚です。ここでは稚魚放流や魚卵放流も含めます。

放流(放流魚)は人工的に育てた魚を川に放ったものです

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天然魚の生息地

アマゴやヤマメ、イワナは冷たい水を好む魚で、そもそも川の上流域に生息しています。そして天然モノは、その更に上流にいます。山奥の川ですね。全国的に見れば必ずしもそうととは言えませんが、少なくと奈良県の大部分はそうです。釣り人の数が多ければ、それだけ川に残る個体数は少なくなるので、都市に近いエリアではなかなか天然モノを見ることは叶いません。

そのため、本当の天然魚を釣るためには、アクセスの悪い川、人があまり入っていない川まで行かなくてはならないんです。

また、魚卵放流(受精卵を放流)は、道路の終着点周辺が多いです。稚魚放流(赤ちゃんを放流)はその更に下流といったイメージです。魚卵はバケツで大量に運べるので車が止められないエリアでも放つことがありますが、稚魚はバケツで運ぶにしても魚卵に比べて運べる量が少なくなりますので車からすぐ放流できるエリアになることが多いそうです。

※魚卵放流・稚魚放流はその川にもともと生息する魚と遺伝子は異なることが多く、レア度も本物の天然魚に劣ります。しかし、釣りをする上では変わらないので(魚の習性や釣りの難易度)、ここでは稚魚放流や魚卵放流も天然モノとしてまとめています。

※天然モノは下流にもいますが、放流魚も混じりますので天然モノだけを狙って釣り上げることはできません。

放流魚の生息地

放流魚は川の上流域の中でも中流域・下流域が生息地になります。地場の漁業組合が釣り人の集まる場所・集まってほしい場所に重点的に放流しています。基本的に釣りやすい場所に放流しています。

僕が通う川では、バケツでドバドバーって魚を放つんです。

解禁日前にあらかじめ放流しているのですが、解禁日後に追加放流している川もあります。あとはイベントの時などですね。

放流する場所は、遊漁券・漁業券を購入する店、その川の漁業組合のホームページなどで確認しましょう。おすすめは漁券を購入する店です。チラシやホームページには詳細に掲載されていないので、お店の人に放流場所や放流時間、人の込み具合など詳しく確認しましょう。

放流魚の特徴と習性

放流魚は高密度で浅い生簀(いけす)の中で育てられているせいで、天然魚と比べるとヒレは擦り切れて小さく、また、私見ですが流れの早い川で育っていないので筋力も無さそうです。そのため、遊泳力は弱く、流れに逆らう遡上はほとんどないと考えていいです。

また、放流直後はほとんどの魚はその場にとどまりますので、少しでも放流場所がずれると全く釣れないという事態に陥ります。放流した場所から離れるのに数日はかかるそうです。

そして、放流魚は人間に育てられただけに、天然モノよりも警戒心は低いです。同じ場所で何度も釣れます。厳しい自然の中で生き抜いた天然魚と比べると危険が少ない環境で生きてきたからだと思います。

放流日での放流魚釣りの特徴(放流場所での釣り)

放流魚の特徴と習性を踏まえると、天然モノを狙うよりはヌルい釣りになります。

今回は、数釣りが楽しめる「放流直後」での釣りについて説明しますね。釣り方は「餌釣り(ミャク釣り)」です。

※放流日以降も基本的には変わりませんが、魚の警戒心が高まります。そのため、本来の渓流釣り方法である「釣り歩く」必要性が高まります。

①魚の数が多いから、釣りのウデなんて関係なし

成魚となった渓流魚は5㎡~20㎡に1匹の割合で分布するそうです(水産庁の資料に書いてました)。

しかし、放流魚は狭いエリアに3桁、もしかすると4桁の魚を放流します。2020年3月に行きつけの川の放流日に釣りに行ったのですが、自分の目の前にバケツ一杯のアマゴを入れてくれるんですよ。ちょっと大きい淵だと何回も。その結果、100匹以上も泳いでいる場所もありました。

数が多いので釣れるチャンスも多いということ。どうあがいても釣れない個体はもちろんいますが、僕が見る限りでは放流日に軽く半分以上は釣られてしまってます。

釣りの腕は関係なし。初めての子供でも釣れます。渓流釣りデビューに放流日はおすすめです。

②警戒心が低い

天然モノを狙ったことがある人なら分かると思いますが、渓流魚は人の姿を見るだけで岩陰に隠れる傾向があります。

しかし、放流魚は隠れない!

正確には隠れる魚体もいるのですが、数も多く、そして警戒心も低いので、普通に人前で泳いでいます。そして、人前でも餌を食うw。お隣さんが釣られても食う。

僕が天然モノを狙う時には川から離れたり岩陰から狙ったりするのですが、放流日はそんなのお構いなし。魚と1mの距離であっても子供と談笑しならがらでも釣れるんです。

③魚は移動しない

放流魚はほとんど移動しません。流れに乗って、または逆らって違うポイントには移動しないと考えていいです。移動し始めるのは放流されてから数日後だそうです。ただし、流れが速い場所に放流されると遊泳力がないので下流に流されます。

でも、放流された場所に留まるという訳ではありません。すぐ近くの、「魚に取って快適な場所」に移動します。基本的には竿の届く範囲内と思って大丈夫です。

放流日での放流魚の釣り方(放流場所での釣り)

ようやく釣りそのものの説明をしますね。

持ち物

基本的には渓流釣りの持ち物でOKですが、移動はほとんどしません(しても数百メートル)ので、少し変わります。

  • 【必須】渓流竿(長さ5m前後)
  • 【必須】釣り餌(おすすめはイクラ)
  • 【必須】仕掛け(後述)
  • 【必須】クーラーボックス
  • 【任意】アユ缶、魚籠(びく)
  • 【任意】ウェーダー、長靴(川によって不要)
  • 【任意】タモ、ランディングネット
  • 【任意】エサ入れ

竿は短くても大丈夫。だって目の前でも釣れるから。でも、短いと範囲が狭くなるので4.5mあれば大丈夫です。これから竿を買うのであれば通常の渓流釣りのことも考えて5.4mを買いましょう。

釣り餌はイクラが一番良さそうです。しかし、他の種類の餌も持っていく方がいいです。徐々にイクラで釣れる魚が減っていきますし、だんだんスレて食べなくなります。そんなときに違う種類の餌を持っていれば釣果に差がつきます。僕の場合は基本的に2種類の餌をワンパックずつ持っていきます。

仕掛けはこんな感じです(絵が無くてすいません)。

  • 仕掛けの長さ:竿より50㎝~1m短くする
  • 仕掛けの糸:0.8号~1.2号
  • 目印:針先から1mと1.5mにつける
  • おもりの重さ:2~3号前後(ガン玉セットを持っているのが吉)
  • おもりの位置:針先から10cm~20cm
  • 釣り針:6~7号。形は何でもいい
  • ウキは無い方がいい(アタリの感触が鈍くなるから。深さ調整が難しい初心者はあった方がいいかも)

この程度の仕掛けで十分です。仕掛けの糸は道糸と水中糸を分けることが一般的ですが、そこまでしなくてもいいです。本格的な仕掛けにすればするほど釣果は上がると思いますが、なんせ警戒心が天然モノより低いので、初心者~中級者は気にしなくてもいいと思います。

あと、釣り針はバーブレスフック(抜け防止のための「返し」が無い針)がおすすめです。バラしやすくなりますが、数釣りが楽しめる釣りですので、1匹のありがたみが薄いです。そのため、手早く釣った魚を外せるほうに重点を置いた方が釣りを楽しむことができます。

釣った魚はクーラーボックスにすぐに入れるか、少しでも鮮度を保たせる場合は生きたままアユ缶や魚籠(びく)に入れておき、帰りにクーラーボックスに入れるようにしましょう。

足元はスニーカーでもいいですが、移動できる範囲が狭くなります。通いなれている川であれば判断できると思いますが、初めて行く川であればせめて長靴は持っていきましょう。ウェーダーがあれば尚良しです。

タモ、ランディングネットはキャッチアンドリリース以外の場合は正直要りません。陸にそのまま上げてしまえばいいので。ネットに入れると針が網に絡まって面倒です。ただ、インスタ映え狙いならあった方がいいですね。

エサ入れはほぼ不要です。場所移動しないので。買ったときに入っている容器で十分です。

釣りの時間

第一候補時間は早朝スタートでの数時間で終わりパターンです。

放流直後の一番釣れる時間に釣って帰るということです。ただ、場所取りが大変です。下の写真は僕が通っている川です。朝6時の時点で8台停車しています。カーブを曲がった先にもポイントがあり、同じくらい停車しています。

これからさらに増えます

川に下りれば、一級ポイントには既に場所取りの棒や荷物が置かれています。前日から場所取りしているそうです。また、夜中に到着して釣り開始まで酒盛りしている人もいます。川によって状況は異なりますが、放流日はこのような状況ですので良い釣果を期待するのであれば早朝には到着していなければなりません。

次点は先行者が帰るのを待つパターン。

十分釣れたということで、9~10時くらいから帰り出す人がいます。タイミングが合えば一級ポイントに入れることも。早朝には及びませんが、まだまだ釣れる魚が残っています。早朝組はお昼前にはほとんど帰りますので、お昼からの出勤でも大丈夫です。

午後~夕方出勤パターン。

もうその日に釣れる魚はほとんど釣られてしまっている状態ですので、数は期待できません。そのため、初心者にはお勧めできません。僕はこの時間帯にもよく行きますが、天然モノを狙う釣りの帰りに寄って5匹前後釣って帰るというパターンです。

釣り場所のイメージ

釣り場のイメージは「釣り堀」です。人様が横に並んで魚を釣るやつです。場所移動もほとんどしません。だって混んでるから。

こちらの写真は、放流している瞬間です。

左下で放流された魚が、過ごしやすい場所を求めて少し遡上しています。こいつらは奥の瀬までは泳いでいかず、この周辺にずっととどまっていました。

左上のバケツは放流してくれる漁協関係者です。「ここに放流して」と伝えると指定した場所に放流してくれました。

ここはなかなか良い場所で、魚が隠れる場所がありません。そして、底は白系の砂利で、水流は穏やかで白波も無く魚の姿がはっきり見えます。水の透明度は言わずもがなですね。

釣れる瞬間を間近で、しかも鮮明に見ることができます。

釣り方

周りの人と同じことをしましょう。隣の人と同じタイミングで仕掛けを投げ、同じタイミングで仕掛けを回収する。そうすれば、糸が絡まったり周りに迷惑をかける確率がグンと下がります。

また、良く釣れている人のマネをすることも大事です。釣れている人にはそれだけの理由があります。同じ餌を使ったり、同じ深さに餌を流したり。。工夫してみて下さい。

基本的には上流から下流に、流れに沿って餌を流します。浅く流してもいいですし、深めに流してもいいです。底が砂地や砂利の場合以外では、底を這うくらい沈めるのはお勧めしません。反応は悪いですし、根がかりするからです。

流す場所も、いろいろ工夫してみて下さい。手前、奥、奥から手前など、いろいろなコースを流してみましょう。

また、動きはつけなくていいです。ゆらゆらと同じ高さで流してください。

イクラを使う場合、潰れたり白くなったりしたら変え時です。虫系の餌は原型が残っていれば大丈夫かな?ただ、どの餌を使う場合でも反応が悪くなったら新しいものに変えるか、違う種類の餌を使ってくださいね。

釣果

放流日での大人2人、子供2人釣果です。34匹。時間は朝からお昼までの5時間。

子供を遊ばせることが主目的だったので、本気で釣りしたわけではありません。

反省点としては、この日の当たり餌だったイクラを持っていなかったこと、次に当たりの多かったブドウ虫を前日に半分以上使ってしまっていたことです。

この日はあまり釣れなかったミミズと不慣れなルアー釣りでの釣果が半分くらいです。

イクラを持っていれば。。ブドウ虫がもっといっぱいあれば。。。倍は釣れたと思います。

放流日は年に1,2回しかないイベントなので、餌はしっかり持っていきましょう!

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