【渓流ルアー初心者】スピニングリール?ベイトリール?どちらを買うべきか解説します。

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渓流ルアーを始めるときに迷うのがリールの選択。元々、トラウトルアーではスピニングが主流でしたが、最近は「ベイトフィネス」という言葉もよく聞くようになった通り、ベイトリールを使う人も増えていますね。

今回は初心者がどちらのリールを選ぶべきか解説したいと思います。

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結論:リールを使用したことがない人はスピニングリール一択!

最初に結論を申し上げておきます。全くの初心者はスピニングリールを買いましょう。ベイトリールを買ってしまうと…釣りどころではなくなりますので。きっとすぐに釣りが嫌いになると思います。

スピニングリール・ベイトリールにはもちろん両方にメリット・デメリットがあるのですが、初心者はベイトリールのデメリットばかり享受することになります。一番大きいのは「ライントラブル」です。釣りをしている時間よりもリールとラインをいじっている時間の方が長くなるかもしれません。

また、スピニングリールの方が性能が高いものが安く手に入ります。個人的にはまず安いものでレベル上げすべきと考えていますので、できるだけスタート時はコストを抑えるべきです。長く大事に使いたいから初めから良い道具を使いたいという意見もあると思いますが、大事に使うにも経験が重要になってきます。メンテナンス方法や扱い方などは調べればいくらでも出てきますが、いろいろ触って経験しなければ本当の知識は身に付きません。ご自身のレベルアップのためにも、まずは自分にとってお手頃な価格のものから始めましょう(お金に余裕があるなら最初から高価なものでもいいですがw)。

バス釣りなどでベイトリールに慣れ親しんでいる方はどちらでも大丈夫です。自分がどういうフィールドに行くかを基準に選べばいいと思います。広い河川ならスピニングリール、源流のネイティブトラウトを狙うのならベイトリールという風に。それぞれのメリット・デメリットも紹介しますので、各自ご判断ください。

ちなみに僕が初めてベイトリールを買ったのは渓流ルアーフィッシングのためです。ベイトはバス釣りでたまに弟から借りて使った程度です。そこそこ高価なリールを買ったのですが、すぐに壊してしまいそうでした。よきアドバイザーが傍にいたので順調に使えてはいますが、初心者の方は周りにベイトフィネスの釣り人がいないのであれば、やはりスピニングリールの方が良いと思います。

スピニングリールとベイトリールの性能比較

思い付くだけ挙げてみました。基本的に得意な方を「〇」、不得意な方を「×」にしています。「△」は初心者にとってはあまり感じないものや、努力や腕である程度挽回できるものです。

スピニングリールベイトリール
初心者にも使いやすい×
扱えるルアーが豊富(軽いルアーも投げやすい)×
飛距離が出やすい×
リールの選択肢が多い×
ドラグ性能
糸巻量(リールに巻ける糸の量)×
ハンドルを左右変更できる×
バックラッシュが無い×
ピンポイントキャストが得意
手返しが良い×
巻く力(リールパワー)
感度

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~初心者にも使いやすい~

特に渓流ルアーフィッシングでのメリットに重点を置いてご説明します。

まず、何と言っても「初心者にも使いやすい」です。

ベイトリールはとにかく使いづらいです。バックラッシュというリールで糸が絡まる現象が起きやすく、その直しにとにかく時間を取られます。また、バックラッシュがひどいとラインを切らなければならず、釣果にダイレクトに影響する「キャスティング回数」を減らすことになります。

スピニングリールは老若男女、みんな使っていますよね。指に糸をかけ、スプールを上げて、竿を振りながらタイミング良く指から糸を離す。糸を離すタイミングさえ掴めればルアーは飛んでいきます。投げれるようになるまでが早く、誰でも簡単に使えますので、ルアー釣りをしたことがない場合はスピニングリールを買うべきです。

ベイトリールはとにかく扱いづらいです。リールの操作はスピニングリールよりも少ないですが、初心者はルアーが飛びません。飛距離もそうですが、そもそもルアーが飛ばないんです。なぜならリールに糸が絡まるから。これはバックラッシュという現象で、後ほど詳しく説明しますが、とにかくある程度のレベルになるためのハードルが高いんです。ベイトリールのメリットを得るためにはある程度の釣りレベルが必要になります。

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~扱えるルアーが豊富~

スピニングリールはベイトリールと比べて、投げることができるルアーが豊富です。ベイトリールを使うとよく分かりますが、ベイトリールはとにかく軽いルアーを投げるのが苦手。1gや2gのルアーをキャストするのはとても難しいです。1g未満のスプーンなど言わずもがな。いろいろなルアーを試したいのが釣り人の性(サガ)ですが、スピニングリールなら軽いルアーでも取り扱いが容易です。

もちろん、ロッドの性能・長さによっても変わってくるのですが、ルアーの重さを選ばないスピニングリールのほうがおすすめです。

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~飛距離が出やすい~

スピニングリールはベイトリールよりも飛距離を稼ぎやすいです。とにかく良く飛びます。

飛距離が出るメリットは大きく2つあります。

1つは、遠くのポイントが狙えることです。広い川だと攻めることが可能なエリアが広がりますよね。険しくて近づくことができない上流を狙うことも、飛距離が無ければ困難です。

もう1つは、警戒網からの攻めができること。特にネイティブトラウトは警戒心が強く、警戒されない遠くから狙うことも釣果アップの秘訣の1つです。

釣りにおいて、普遍的な正義があります。それは「飛距離」です。遠くを狙えることは絶対正義なのです。

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~リールの選択肢が豊富~

世の中、需要と供給で価格が決まります。需要が多ければ多いほど、製造量は増えて価格は安くなります。スピニングリールはベイトリールよりも需要が多く、価格は安いです。同様に、需要が豊富なので色々な種類がたくさん発売されています。

高品質なリールが安く、しかも選択肢が広いのがスピニングリールとなります。

一方、ベイトリールはその構造から精密な作りになっており、必然的に高価になります。もちろん需要もスピニングリールよりも小さいですし。

ちなみに、Amazonで「トラウト ○○リール」と検索した結果がこちら(2021年4月現在)。

  • 「トラウト スピニングリール」…762件
  • 「トラウト ベイトリール」…177件

圧倒的ですね。この検索結果には付属品も多少含まれていますし、「トラウト」を強引に関連付けしている商品も含まれているので、実際の選択肢になるリールはこの数字よりも大幅に下がります。 

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~ドラグ性能・感度・左右変更~

個人的には大きなメリットではないので、ドラグ性能、糸巻量、ハンドルの左右変更についてはまとめさせていただきます。

ドラグとは、ロックした状態でも糸が出ていく機能です。大きな魚が掛かったときや根掛かりしたとき、この機能が無ければ糸がすぐに切れてしまうんです。一般的にはスピニングリールのほうがドラグ性能が良いということで、メリットに挙げておきます(僕はあまり違いが分かりません)。

スピニングリールの方が沢山のラインを巻いておけます。糸巻量が多いほど、巻き直す必要がありません。渓流ルアーではラインへのダメージは頻繁に起こり、例えば岩にラインが擦れるなんてことはよくあることです。そのため、ラインを切ること/切れてしまうことが普通のルアーフィッシングよりも多いので、糸巻量が多いことはメリットです。ただし、スピニングリールの場合は糸巻量が減っている状態で使うと、リールのヘリに糸が当たり切れやすくなります。そうしたことを考えると、メリットとは言えないのかもしれません。

スピニングリールはハンドルを右・左と自由に変更できます。友人に貸すときには便利ですね。ベイトリールは右ハンドルなら右ハンドルで固定されており、変更できません。右ハンドル・左ハンドルのどちらにするのかということもある程度レベルを上げないと判断できないと思うので、まずはスピニングリールで両方試すべきです(一般的に多いのは右利きなら右ハンドル。僕は手返しをよくするために右利きですが左ハンドルに矯正しました)。

トラウトルアーでスピニングリールを使う理由~バックラッシュが少ない~

後ろ向きの理由ですが、非常に重要です。ベイトリールはバックラッシュが頻繁に起こります。もちろん、ルアーの性能や使用者の腕次第という面もあります。逆に言えば、ベイトリールは高価なリールが必要で、習熟者向きのリールなのです(上手い人は道具を選ばない)。

スピニングリールもバックラッシュは起こしますが、ベイトリールよりも圧倒的に少ないです。「少ない」ということが実は重要で、トラブルが少ないということは釣りの時間が長くなるということに繋がります。初心者と釣りレベルの高い人の釣果の大きな違いは「釣りの時間」も大いに影響しています。バックラッシュ頻発で絡まった糸をせっせと解いている人と、トラブルも無い人ではキャスティング回数も大きく違います。

初心者はとにかく何度も「ルアーを投げること」が上達の近道です。キャスティング回数が増えれば増えるほど、その回数が釣果に繋がり、そして上達に導くのです。絡まった糸と遊ぶ時間はできるだけ減らすべきなのです。

なぜベイトリールを使う人が増えているの?スピニングリールにはないメリット

ベイトリールにはデメリットがいっぱいです。しかし、それでもベイトリールを使う人が増えているのはなぜでしょうか?

主な理由はこの2つ。「ピンポイントキャスト」と「手返しの良さ」です。僕がベイトフィネスを始めた理由もまさにこれです。

ピンポイントキャストの重要性

渓流ルアーフィッシングは狙ったポイントに正確に投げることが重要です。広大な海や湖と比べればよく分かると思います。水の落ち込みや岩の間に正確にキャストできる腕が必要になります。まさに「ピンポイントキャスト」です。また、ルアーが飛びすぎると岩に激突、そしてリップが割れたりフックアイが曲がったり、最悪の場合はルアーそのものが折れてしまったり。ルアーを大事に扱うためにもピンポイントキャストは重要なのです。

「ピンポイントキャスト」はスピニングリールでもできなくはないです。しかし、「フェザーリング」という特殊な技術の修得が必要です。スプールから飛び出る糸をロッドを握っている方の指で優しく撫でることで飛距離を調整する技術ですが、とにかく難しいです。ちなみに、これができるとライントラブルが減ります。

ベイトリールでは「サミング」という技術になります。ロッドを握っている手の親指で軽く押さえます。これができないとバックラッシュしてしまうということで、サミングは基本動作の1つに組み込まれています。つまり、ベイトリール使いは全員サミングができるということ。後はひたすらキャストするだけ。あまり意識せずとも上達します。

手返しの良さの重要性

ここでも何度か触れていますが…釣果はキャスト回数に比例します。

スピニングリールは投げるまでの工程がベイトリールよりも多く、キャストだけに焦点を置くとベイトリールの方が優れています。また、ルアーを垂らすときの糸の長さの調整もスピニングリールは難しく、ベイトリールならクラッチを切るだけで自在に調整が可能です。

ベイトリールであれば、巻き取り終わったらすぐにキャストに移ることができます。ベイトリールが10回キャストできるのであれば、スピニングリールだと7,8回が限度かと思います。たった数回の違いですが、100回200回と回数が増えれば数十回の差に。キャスト回数が釣果に繋がるのであれば、手返しの良さは非常に重要なことだと分かると思います。

ただ、バックラッシュが起こる事を考えると、ある程度の腕が無ければベイトリールを使った方がキャスト回数が少なるかも(練習あるのみ)。

おすすめのスピニングリール

スピニングリールは汎用性が高く、要点さえ押さえておけば他の釣りでも問題無し。

価格は5,000円前後、2000番のリールを選べば大丈夫です。

また、ハイギアと呼ばれる1回の回転で70~80cmのラインを巻き取れるものを選べばいいです(必須ではないです。頑張ってハンドルを回せばかばーできるので)。

こちらは約5,000円のリール。とりあえずこれを買えば大丈夫です。

こちらは約10,000円のリール。商品名に「HGS」と書いてありますが、「ハイギア」という意味です。

ハイギアのリールは商品数も少ないので少々お値段はあります。また、ゆっくりルアーを動かすアジングなどにはハイギアは向かないので、渓流ルアー専用機になるかもしれません。

僕はベイトリール使い

始めはスピニングリールを使っていました。もともと餌釣りだったのですが、会社の同僚にトラウトの管理釣り場に連れて行ってもらったときにリール・ロッドを揃えたのが始まりです。その時はリールとロッドで1万円でした。管理釣り場では1gのスプーンを投げるので丁度良かったです。

僕はそれを約10年使ってようやくベイトフィネスデビューです。

スピニングリールとベイトリールのメリット・デメリットを理解できたのはベイトフィネスを始めてからです。比べる相手がいて初めてそれぞれの利点が分かったんです。

これからトラウトルアーをデビューされる方は、是非スピニングリールでデビューしてください。それが上達の近道です。ベイトリールは次のステップでいいと思います。

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